【書籍紹介 #10】渋谷直角「よくカフェでかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」

世界のサブカル糞男とサブカル女の皆さんこんにちは。

店主のさしみです。

最近は新刊漫画を買わず、プレミア価格の漫画を買ってお財布がすっからかんですが幸せはいっぱいです。

さて、今回紹介するのは渋谷直角「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」です。

こういう長いタイトルが好きな貴方はきっとキューブリック監督の「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」やウディ・アレン監督の「ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう」が好きに違いない!

しかもその作品を語るときにはタイトルを略さずにドヤ顔で諳んじでしまうに決まっています!マニアの悪い癖ですね笑

さて、一部の映画マニアから顰蹙をかったところで本作の紹介に移りましょう。
本作は2013年に扶桑社から発行された漫画で、著者である渋谷直角氏は1975年生まれのライター兼漫画家です。「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせガール」では妻夫木聡と水原希子が主演で映画化されています。激しいキスシーンが多くてドキドキした記憶があります。


私自身が渋谷直角を知ったきっかけも本作で、本屋でたまたま見かけそのタイトルの毒っぽさに胸を射抜かれました。

この作品の魅力にお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
そう、この作品はタイトルが重要なのです。
本作は表題作をはじめ、全部で4話の短編+おまけで構成されています。それぞれのタイトルを列挙していきましょう。

「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」
「ダウンタウン以外の芸人を基本認めいないお笑いマニアの楽園」
「空の写真とバンプオブチキンの歌詞ばかりアップするブロガーの恋」
「口の上手い売れっ子ライター/編集者に仕事と女も全部持っていかれる漫画(MASH UP)」
おまけ「テレビブロスを読む女の25年」

サブカルチャーが好きな人には必ず刺さるタイトルがあるかと思います。
そしてこのタイトルを読んでかつての自分ないしは現在の自分とダブるところを見つけて悶たりしていることでしょう笑

私自身、ボサノヴァがかかっているカフェへ通ったり、無駄に空の写真を撮っていた時期がありますので耳が痛いやら死にたいやら。このタイトルを見てそんな気持ちになったのをハッキリと覚えています笑

タンバリン、コンガ、アコギ。いかにもな感じ

その他のタイトルも「ダウンタウン以外の芸人を基本認めいないお笑いマニアの楽園」や「空の写真とバンプオブチキンの歌詞ばかりアップするブロガーの恋」など自分を含めたサブカル気取りの輩にはとても耳が痛いタイトルで、渋谷直角の着眼点と言葉選びのセンスに脱帽してしまいます。

作中に出てくる雑誌名やバンド名などはあえてぼやかすに実名を書いているので、チョイスがリアルで変な笑いが出てきてしまいます。
話と話の空きページにかかれている主人公「カーミィ」が持っている小物のチョイスがそれらしくて最高なので、読んだときはチェックを忘れずに。

時分も今年はブルーフレームを買います笑

さしみも彼女がいたらこういうのをあげる人です
カーミィが書いたポエムとインスタントな写真・・イタタタ笑

タイトルだけ聞いているとなんとなく浅野いにおが頭をちらつくのは自分だけでしょうか。しかし絵のタッチは中学生が描いたようなヘタウマ風です。
きっと作者はあえてヘタウマ風にしていると邪推してしまいますね笑

漫画作品としての質は「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせガール」の方が高いので読み応えがありますが
本作はサブカル糞野郎(女)にはビシビシと刺さる不思議な魅力がある漫画で、気づいたら何度も読み返してしまいます。

タイトルで興味を持たれたサブカル糞野郎(女)のあなた、是非手にとってください!

おすすめの記事