【書籍紹介 #8】風忍「Gからの警告」

皆さんこんにちは。
店主のさしみです。

「シン・エヴァンゲリオン」が興行収入100億円間近だそうですね。
今回は「シン」繋がりで「ゴジラ」の話を…いえ「THE ゴジラ COMIC」の話をしようと思います。

「THE ゴジラ COMIC」は1990年に宝島社から発行された「ゴジラ」をテーマにしたアンソロジーコミックとなります。この本を手掛けたのは当時、宝島の編集者だった町山智浩だったという話もありますが、今回は幾つかの作品の中でも異彩を放っている「Gからの警告」を紹介したいと思います。

●ストーリー

突然出現したゴジラによって街はおろか滅亡の危機に立たされた人類。

激しい抵抗も虚しくこのまま滅びる道しかないのかと思われたが、ある骨法の達人が素手でゴジラに挑み、ゴジラを屠ることができた。

素手でゴジラと相打ちに

しかしその代償は大きく、妻と息子を残して絶命してしまった。そんな夫の墓参りへ息子を抱いた母が訪れていた所、夫の墓石が揺れ動き始めた。すると年端も行かない息子は突然真相を語り始めるのだった。

きちんと説明してくれる優しい子

息子の口から語られた真相とは、実は自分は息子ではなく死んだゴジラの魂がお腹の中にいた息子の魂を追いやり、取り憑いたというのだ。

そう、息子はゴジラだったのだ。

こんな表情で訴えかけられたら信じてしまう

真実を知ってしまった母を殺そうと大きな石を持って母の頭部めがけて振り落とす。しかし身を守るためにとっさ出した手が息子(ゴジラ)を天高く吹き飛ばし、母は意識を失ってしまう。

目が覚めると目の前には夫と少年がいた。少年いわく、自分はゴジラによって魂を追いやられた息子で、ここは霊界だそうだ。ただ母はまだ存命しており、父から学んだ骨法で母を守護するという。

そして背後にある腐った液体が流れ出す星は地球の霊体で、人々の怒りをエネルギーが液体となって流れ出していたのだった。実はゴジラは霊界からの警告だったのだ。

風忍おきまりのオチ

ゴジラは水爆による放射線の影響で生まれたというのが一般的に認知されている設定ですが、実は人間の念がきっかけで誕生したという正に風忍ワールド炸裂のストーリーでした笑。

特に息子が自らをゴジラだと告白するシーンのインパクトは絶大で、インターネットのネタ画像としても時たま見かけることがあります。ゴジラというテーマを超えた風忍ワールドのインパクトは正に強大です。

ではそんな作者の風忍についてご紹介しましょう。

作者プロフィール:風忍

ダイナミックプロに入社後、永井豪のアシスタントを勤めた。代表作は「地上最強の男 竜」、「ガバメントを持った少年」など、イコンや曼荼羅を彷彿とさせる独特な構図と小回り、宗教的なストーリー展開などでコアなファンを獲得しているカルト作家である。近年では目立った作家活動をしておらず、どの作品も絶版状態である。

私自身も風忍のファンです。

独特な構図と突飛な展開がとにかく病みつきになります。代表作である「地上最強の男 竜」「ガバメントを持った少年」は過去に復刊したこともあり、比較的手に入りやすい作品ですので、風忍イズムに触れたい方は是非購入してみてください。

比較的に手に入りやす作品でオススメです。

また「Gからの警告」で登場したゴジラを素手で倒したという謎の武術「骨法」についても触れていきましょう。

知ってる人は昭和プロレスファンくらいしかいないと思われますが、骨法は実際に存在する武術の一つです。諸説ありますが、奈良時代から一子相伝で伝わる日本固有の武術で、「堀部正史」が52代目の継承者を名乗っていました。当時は謎の武術として(一部)で話題になり、獣神サンダーライガー船木誠勝アントニオ猪木などに技を教えたという逸話もあります。さらに新日本プロレスでは海賊男ビッグバンベーダ―の誕生にも関わったという話もありました。

平成に入ると総合格闘技へ挑戦したものの、結果を残す事ができず現在は整体として残っているとの事です。ホームページもなかなか濃ゆいので是非見てみてください。

また、堀部正史は永井豪との関係もあり、「取材協力:堀部正史」として「骨法伝説 夢必殺拳」という漫画作品も発表されていますし、作中に登場する「夢火古」は後の「バイオレンスジャック」でも登場することになります。

そして永井豪と同じように風忍も堀部正史監修で「ケンカ必殺腱 骨法」という作品を出されていることから、「Gからの警告」でも骨法が登場したのではないでしょうか。

表紙の人物が堀部正史。いい顔でしょ
運動して喘息が治る訳じゃない

残念ながら堀部正史は2015年に亡くなりましたが、晩年は小林よしのりとも交流があり、対談本なども出されたりしてました。堀部正史の人間性や「ケンカ必殺腱 骨法」だけで記事が書けるほど興味深いのですが、それはまたの機会にでも笑。

風忍はまだまだ紹介したい作品が多くあります。それも追々紹介していきますのでお楽しみにお待ちいただければと思います。

それではまた次回。

店主さしみ

おすすめの記事