【フィジカルの魅力 #5】ガラスペンについて

みなさんこんにちは。
店主さしみです。

サインペン、ボールペン、シャープペンなどなど文字を書く筆記具は歴史は長く、種類もゴマンとあります。

しかしパソコンやスマートホンの普及によって文字を書く機会が減った人も少なくないでしょう。

令和の時代にあえて物質主義を礼賛する、シリーズ「フィジカルの魅力」。

第5回目は文房具の中でも日本発祥の筆記具「ガラスペン」を紹介します。

まず「ガラスペン」とは?と存在自体を知らない方へ説明させていただきます。ガラスペンとはその名の通り、ガラスで出来たペンです。ペン先はガラス製でペン軸は竹製というものから、ペン先からペン軸までガラスで出来たものもありますが、全てガラス製のモノが一般的です。

ペン軸とペン先が全てガラス製のガラスペン(カキモリさんより引用)
https://kakimori.com/collections/gp/products/t01pgp00b5sb

私が所有しているガラスペンは全部で3本。全て葵文具製作所製の「アオイガラスペン」です。竹製のペン軸に様々な形状と色のペン軸がポップで蒐集欲を刺激します。

所有している「アオイガラスペン」
ペン軸に貼られたロゴシールが可愛い

またペン軸に貼られた「アオイガラスペン」のシールを見てみるとデザインがレトロでとても可愛らしくて気にっています。

他のメーカとしては「ペンギンガラスペン」というものもあるそうなんですが、どうも製作している会社は同じ葵文具製作所とのことです。これらのガラスペンは残念ながら現在は絶版となっており、骨董屋さんでしか手に入らないのがちょっと大変です。

それではガラスペンの本体側について説明します。
まずはペン先を見てみましょう。
ペン先には細い溝があり、直線のものや溝が螺旋状になっているものもあります。

実はこの溝がガラスペンのキモなのです。
ガラスペンで文字を書くときにはペン先にインクを付ける必要があります。
するとペン先の溝にインクが保持され、紙に書くと溝のインクが毛細管現象によって紙へ流れていって文字になるのです。


また、溝が螺旋状になっているのも意味があるのです。単純な直線と比べて螺旋状の方が溝が長くなるため、その分だけインクを多く溜め込めるわけですから、一回のインク付けで長く文字を書くことが可能になります。これぞまさに「機能美」といったところでしょうか!

溝も直線から螺旋状まで種類が豊富。

続いて実際にインクに一度付けただけでどれほどの文字がかけるのか試してみました。
字が汚いのは置いておいて、A5サイズのノートに文字を書いてみるとなんとここまで書けるのです。

ここまで書ければ実用的

見た目だけでなく実用性も十分なガラスペンに少し興味が出てきたんじゃないでしょうか。

続いて気になる書き心地です。
ペン先がガラスということもあってか、紙を切り裂く様な「カリカリ」という音と感触が伝わってきます。今までにない感覚です。「カリカリ」という音も小気味よくて面白いです。ペン軸が細いのであまり長文には向きませんが、短文を書くにはうってつけでしょう。また、ペン先がガラスなので残ったインクを拭き取るのも楽なのがいいですね。

注意点はペン先が割れやすいということです。ガラス製という事もあるので、落としたりすると割れてしまいます。

ペン先にダメージを負ってしまえば、書き心地に影響するだけではなく最悪、書けなくなってしまいます(経験談)。これは万年筆も同じですので、大切に扱ってください。

骨董ではなく新品でガラスペンを買おうと思った方には文具店や大きな書店の文具コーナーで取り扱っていたりしますが、ペン軸が竹のガラスペンは見かけたことがありません。しかし、どれもデザイン性が高いのでインテリアとしても優秀ですしプレゼント用にもいいかもしれません。

日本発祥の少し変わった「ガラスペン」。興味を持った方は一度手にとってみてはいかがでしょうか。

東京の蔵前にある「カキモリ」さんでも取り扱っていますの気になった方はコチラから覗いてみてください。

それではまた次回。

店主さしみ

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