【書籍紹介#1】藤 竜田郎「21世紀の性生活」

皆さんこんにちは、店主さしみです。

本日は1冊の古本を紹介させていただこうと思います。

皆さんは「エロ」はお好きでしょうか。もちろん大好きですよね、嫌いな人なんて見た事がありません。なので私は古本屋へ訪れた際には必ずそういうジャンルをチェックするのですが、そんな古本屋巡りをしていた時、兵庫県の三宮で見つけた本がこちらになります。

◆「21世紀の性生活」医学博士 藤 竜太郎著/
浪速書房刊 昭和44年7月15日発行

初版が昭和44年という事は西暦1969年。今から52年前の本になります。

本書はタイトルの通り、今から52年前に著者が想像した21世紀の性をテーマにした内容です。

巻頭ページには時代を感じるグラビアページがあってお堅いタイトルにはそぐわない感じがします。

きっと高貴な本に偽装したエロ本だったのかもしれません。

お気に入りのグラビアページ

それでは目次を見てみましょう。

全体は17章で構成されていますが目次の時点で非常に魅力的なのでここに記載します。

1章:セックス革命の成功

2章:モラルの問題

3章:性教育の発達

4章:フリーセックス時代の実現

5章:乱交パーティーの実態

6章:アートオブセックスの開花

7章:肉体的な改革

8章:オルガスムスの自由化と態位

9章:林立する野性的なヌーディストクラブ

10章:ホモとレズの流行

11章:精密巧緻な性的器具、機械の発達

12章:新しいマゾとサド

13章:売春法の廃止と管理売春法成立

14章:セックスのショウ化とコンクール

15章:性病の撲滅と人工培養

16章:性的ペット/小動物育成の隆盛

17章:究極のセックスとは

この目次を見てビビビと来た人はお目が高い。

当時の人が何を考えてどんな「性」を予想したのか。

そしてその予想が当たっているのか気になってきましたよね。

ということで僭越ながら21世紀を生きる私がいくつかピックアップして答え合わせをしようと思います。

その前に全体的な感想ですが、著者である藤博士は21世紀を「性の解放」と捉えていたそうで第1章「セックス革命の成功」の「要するに、21世紀のセックスで一番大きなことは、このフリー・セックスということである。」という文章からも伺えます。また、しきりに乱交というワードが文中に出てくることから、著者の性的趣向すらも伺えてきます。本書全体を通して科学的なデータの提示や知見は最初の1、2文で終わってしまい、筆が滑りまくってるのも注目ポイントです。

それでは答え合わせに移りましょう。

イ)4章:フリーセックス時代の実現

本章の序文では医学の発達により妊娠からの女性の解放を予想しています。

「21世紀の初期には、こどもはほとんど人工授精で製造?(原文ママ)されるのだ。はじめは女性の人工妊娠であるが、やがて試験管の中で胎児は育っていく時代となるのである。」

丁度この時代に試験管による体外受精の研究が開始されたらしく、その研究報告より予想された発言でしょう。また、高度に発達したコンピュータによって育児からも解放されるとヤることはただ一つ、「セックス」であると著者は主張しています。そして完全避妊薬の出現によって今までのセックス観念は全く別のものへと変わり、フリーセックスの時代がやってくるとの事です。

現在、体外受精はそれほど珍しいものではなく、助成金を出している行政もあります。避妊薬もピルが徐々に認識されている所から考えると、あながち間違っていないのかも知れません。

また、フリーセックスという認識の変化によって、セックスはさらなる発展を遂げると主張しています。

「公園のベンチの上、芝生の上、あるいは木のかげなどでも、またホテルのロビイや家庭の応接室すらなんの気兼ねもなく、彼らはその可能性を追求し続けることができるのである」

たしかに昨年は多目的トイレでセックスをしていた芸能人も可能性を追求した結果なのでしょうね。見事に的中しています。

ロ)16章:精密巧緻な性的器具、機械の発達

この目次を見てすぐにTENGAやオリエント工業のラブドールを思い浮かんだ方は少なくないでしょう。

この時代は南極越冬隊が持ち込んだ「南極1号」が有名かもしれません。南極1号をはじめとした所謂ダッチワイフはビニール製の風船の様なもので空気を入れて膨らませてから使用しますが、現代ではシリコーン製で重量は約30kgにも及び、顔の造形や触り心地も非常にリアルです。

本書でも一番に取り上げたのがダッチワイフの完全ロボッチーヌ化による簡便なオスペ用途としての器具として紹介しています。ロボッチーヌやオスペと時代を感じる言葉は横に置いておいて、いわゆるセクサロイドについて言及している事が分かるが紹介しているイラストが少し薄気味悪く感じるのは自分だけでしょうか笑

「不気味の谷」の底を行くデザインである

文中では体格、顔つきは当たり前として性器の種類、肌の種類、言語、貯蔵タンクを搭載することによる愛液の分泌などなど自分好みに完全カスタマイズできるようになると書かれています。特に人工性器はミミズ千匹、数の子天井、俵はじめ、タコつぼなど名器を選択できるから夢の様です。

ちなみにオリエント工業のショールーム見学をさせていただいた際にも性器の選択が可能で、実際に指を入れる機会があったのですが個人的にはミミズ千匹が好みです。

また現代では女性をターゲットにしたアダルトグッズが多くのメーカから発売されていて、一見するとアダルトグッズに見えないデザインで人気を博して(?)いますが、この事も本書では予想していて、馬に乗った形で刺激を与える馬型バイブレータや陰毛を模した毛が付いたサックで刺激するもの、そしてレズ用として鼻先が前後い移動や振動、はたまた先から温水が噴き出す天狗面と、予想というよりもはや妄想です笑。

悪ふざけと言いようがない

ハ)14章:セックスのショウ化とコンクール

21世紀にはセックスオリンピックが開催され、そこではセックスマラソンやセックスサッカーやセックスラグビーが催さるそうです。アフリカの高知民族出身のアッチッチ・アッパッパ選手が3時間以内に91回の射精をして見事1位となったと書かれてますが、完全に著者の筆が滑りすぎていてなんの裏付けもないただの妄想で埋めつくされてます。

しかし、実は同じような国際大会が現代で行われていたのはご存じでしょうか。

それはアメリカで2000年代に開催された「マスターベータソン」と呼ばれるチャリティーイベントです。その大会では「オナニーの耐久時間」、「絶頂回数」、「射精の飛距離」を競うもので、男女それぞれの部門に分けられます。ちなみに2009年に耐久時間9時間58分で世界一位を記録したのは日本人男性でTENGAの社長です。また絶頂回数も日本人が1位で、7時間で28回と記録がありますがアッチッチ・アッパッパ選手の3時間で91回には遠く及びませんでした笑。

妄想とも思われたセックスオリンピックですが、オナニーであったものの見事的中してしまった著者には頭が上がりませんね…

これまで3章分だけ紹介しましたが、他の章でも著者の暴走と妄想が入り混じってる内容で、突っ込み切れない(紹介しきれない)のでここで終わりにしようと思います。

なかなか的中しているのがなんだか悔しいですね。

では、次回をおたのしみください。

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